堀内大使によるアフリカ情勢報告(第11回:2022年7月14日)

令和4年7月14日

アフリカ連合(AU)日本政府代表部の大使の堀内俊彦です。メルマガ(第11号)をお送りします。

 もうすぐ夏休みシーズンということでいつもとは話題を変えてアフリカのポピュラーミュージック、ジャズからのお勧めです。全くの個人的な好みから10人(組)挙げます(アーティスト名、曲名の順です)。夏休みのお供になれば幸いです。

 

●まずは私が今いるエチオピアに敬意を表してエチオピアから(アフリカ連合の本部はエチオピアにあります)。60年代、70年代のEthio-Jazz と呼ばれる、エチオピアの伝統音楽とジャズなどを融合した音楽を中心に「éthiopiques」としてシリーズ化され30枚のCDが出ています。その中から3人だけ。

Mulatu Astatke - Yegelle Tezeta

Girma Beyene - Enken Yelelebesh

Mahmoud Ahmed - Ere Mela  Mela

 

●北アフリカ

Cheb Mami - mama。アルジェリアのライ(Rai)という音楽から。ライではKhaledもおすすめです。

Souad Massi - Ya Raoui。こちらもアルジェリアから。アラビア語の響きが美しいです。

Anouar Brahem。チュニジアのウード奏者。例えばJan Garbarek(ノルウェー出身のサックス奏者)と共演のアルバム『Madar』など。

 

●西アフリカ

Ismael Lo - Dibi Dibi Rek。 セネガルだとYoussou Ndourの名前が挙がることが多いですが私はIsmael Loの声が好きです。

Amadou & Mariam - Je pense à toi。マリの夫婦デュエット。西アフリカっぽい旋律とフランス語のマッチ感がすごいです。同じくマリからでは、Ali Farka Toureのブルース、Salif Keitaのソウルフルな歌も大好きです。

Kora Jazz Trio - DJAME。ギニアとセネガル出身のメンバーからなるトリオ(今はKora Jazz Bandと名前を変えています)。その名の通り西アフリカの弦楽器のコラが効いています。

Cesaria Evora - Sodade。 大西洋に浮かぶ島国カーボ・ベルデから。

 

●番外

Oum Khalthoum - El Atlas。エジプト出身で正確にいうと「アラブのディーバ」でしょうか。今もアラブ世界では絶大な人気を誇っていると聞きます。私はフランスの歌手のSaphoによるカバーのアルバム『Sapho chante Oum Kalsoum』も好きです。

 

 「ガーナのハイライフがない」「コンゴのルンバ(ユネスコの無形文化遺産に登録されてます)がない」「地理的に偏っている」「新しいのがない」などのお叱りを受けそうですが、私の限られた経験に基づいているためご容赦ください。

 網羅的に知りたい方は市販のアフリカ音楽のガイド本や関連のサイトをどうぞ。学術的にアプローチしたい方は『アフリカ音楽の正体』(塚田健一著、音楽之友社)をどうぞ。

これを機会に、アフリカ音楽に芋づる式に興味を持つ方が出てくだされば大変嬉しいです。

 お勧めがあればご教示ください。お待ちしています。

 

2022年(令和4年)7月14日

アフリカ連合日本政府代表部 大使

堀内俊彦